発展する会社は事業別に会社を分け、
 赤字事業を改善し、黒字事業を伸ばす

停滞する会社は会社を分けず、赤字を隠し温存する
 黒字事業は脇役に甘んじる  

先日、創業60年以上の中堅企業の2代目経営者から、長期停滞からどうしたら脱脚できるのか?と相談がありました。
この会社は創業以来、大企業の下請けとして発展してきました。高度成長期には仕事に恵まれ、隆盛を誇りました。しかし、その後売り上げは毎年減り続け現在はかつての半分以下、利益に至っては何十分以下、やっと黒字を保っているという状態で低迷が続いています。

 しかし驚いたことに、幹部社員からは業績の低迷に切迫した危機感が感じられなかったのです。事業別損益を見ると、本業の大企業の下請け仕事はごく一部を除き赤字です。大企業からは毎年単価引き下げ要求が続き、それを受け入れて下請け仕事を維持していたのです。一方で不動産賃貸事業が会社の利益を下支えしていました。不動産はかつ儲かっていた時代に取得したものを賃貸に回して着実に利益を稼いでいました。

こうした状態にもかかわらず、社員は会社にもたれかかり、なんとか会社は続くだろう、とゆでガエル状態だったのです。でもゆでガエルは湯が沸騰すれば死に絶えます。
大企業からの仕事が途絶えることを恐れ、赤字を見ないようにしてきたのです。経営会議でも赤字が議論になることはありません。仕方ないで終わっていたのです。大企業から見たら、赤字でも仕事を引き受けてくれる便利な存在です。だからどんどんじり貧が続きます。

 私は、まず赤字を直視するために大企業の下請け事業と不動産事業を分社化することを提案しました。分社のメリットは、第一に、赤字事業は問題を明らかにして、対策に専念できます。第二に収益部門に光をあて、ヒト・もの・カネの経営資源を優先的に配分することで、さらなる発展を促すことができます。この会社が勇気をもって分社化に踏み切ることを期待しています。分社化は赤字の事業を直視させる仕組みです。収益部門をさらに発展させる仕掛けです。

皆さんの会社は、赤字の事業を直視する仕組みになっていますか?
収益部門をさらに発展させる仕掛けづくりをしていますか?

 


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