先日、ある社長さんが浮かない顔で相談にみえました。その会社は2年前に営業部門と技術部門を分社化したそうです。ところが
「しだいに営業の情報が親会社社長のところに集まらなくなった。さらに営業子会社が技術子会社に対して『発注してやる』という態度をとるようになり、子会社間もぎくしゃくし始めた。自分としてはこのままでいいんだろうか」と悩んでいるというのです。
私は会社発展のステップを説明しました。
第1段階:事業は一つで、営業と技術といった機能別組織に分かれている
第2段階:複数事業を手掛けるようになると事業別の組織になる
第3段階:事業部別組織を分社化する。
この3つのステップに分かれるのです。ところがこの会社は第2段階を飛び越えて、いきなり機能別に分社化したのです。一つの事業しかないのにそれを分社化すると仕組みが複雑になるだけで、メリットはあまりありません。
ポイントはただ一つ。外部から入るお金の流れにの拡大につながるかどうかです。分社化はお金の入り口を複数にして、子会社それぞれが稼ぐ仕組みにするための大きな仕掛けです。分社化の目的は外から入るお金の流れを増やすことなのです。
あなたの会社は機能別に分社化したら外から入るお金が増えますか?増えない分社化は単に、子会社間のお金の移動が発生し事務が複雑になるだけです。事業ごとにお金の入り口(営業)と(技術)が繋がっていることが大切です。
この社長は、機能別子会社を一旦すべて吸収合併することを決断し最後にこう言われました。「もっと早く分社化のポイントを知っていれば・・・」
あなたの会社の分社化は、外部から入るお金の流れを拡大することにつながっていますか?