先日ある会社で、子会社との経理システムを統合したいとの相談を受けました。連結決算にかかる手間と時間を削減することが狙いです。

従来は各社で決算を作成し、親会社で連結決算を作成していたのを、各社で直接連結決算システムに入力するシステムに変更したいという話でした。

しかし、この会社は子会社の突然の赤字計上によってグループ全体でも大幅な減益に陥っていました。子会社社長に経営を任せっぱなしで、親会社は結果責任だけ負わされていたのです。親会社と子会社の間でグループ全体の経営目標の進捗管理が行われていませんでした。

グループ経営ではグループ全体の観点から、経営目標の進捗管理・問題点の把握・改善策の実行というステップが必要なのです。このグループ全体の経営目標を共有し、親会社子会社一体で進捗管理することを意識すると、経理システムの統合についても選択肢が違ってきます。各社で決算数値だけを入力するのでなく、月次段階で目標の進捗管理を共有する仕組みが浮かび上がってきます。

これは単に情報システムの合理化投資でなく、グループ全体の組織のあり方、情報共有のあり方の問題です。

あなたの会社はどうですか?

グループ全体で経営目標の進捗管理が共有できていますか?