セミナー風景

機能別分社による錬金術  

前回のコラム「機能別分社は正しいか?」に対して、こんな質問が寄せられました。

「分社化してメリットが出る機能セクションはないのか?」。

実はあります。情報システム部門や物流部門のように外部からキャッシュを稼ぐことができる部門です。

実例でお話ししましょう。ソフトバンクの機能別分社による錬金術です。
ソフトバンクは,1998年、社内の情報システム部門を分離し、ネットワーク系子会社と合併させて、一つの会社にしました。今のソフトバンク・テクノロジーです。ソフトバンク・テクノロジーは順調に業績を拡大し、1年後株式を店頭公開しました。親会社ソフトバンクは保有株式の売り出しで、700億円以上の株式売却益を得たといわれます。(ソフトバンク・テクノロジーはその後、店頭公開→東証二部→一部へと発展)。

ソフトバンクはソフトバンク・テクノロジー株式の売却で得たキャッシュで、2000年ナスダック・ジャパンを開設、それを2002年大阪証券取引所に売りました。並行して2000年、あおぞら銀行(旧日債銀)を買収し、2003年外資(サーベラス)に売却しました。ソフトバンクのあおぞら銀行株売却益は500億円といわれます。

最終的にソフトバンクはナスダック・ジャパンとあおぞら銀行の売却で得たキャッシュをもとに2004年日本テレコムを買収しました。買収の際に支払われた現金は約1000億円です。こうしてソフトバンクはかつてのソフトの卸売業から通信業者へと大変身していったのです。一連の錬金術は、社内情報システム部門の分社化から始まったのです。

ここで皆さんに注目していただきたいポイントは一つ

「外部からのキャッシュの入口が、情報システム部門の分社で増えた」

ということです。分社化されたソフトバンク・テクノロジーがグループ外部からお金を稼ぐ企業努力をした結果、株式を店頭公開でき、さらには東商一部上場を果たし、親会社に多大の株式売却益をもたらしました。
 

ポインントは常に一つ「その分社化はキャッシュの入口を増やしますか?」